- 年末調整で精算されるのはその会社が払う給与の税金だけ。アフィリエイトなど副業の所得は入らない
- 給与が1か所なら、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要(国税庁No.1900)。基準は売上ではなく所得
- 副業もアルバイトなどの給与なら、副業先は乙欄。従たる給与は年末調整できず、確定申告で精算する
- 会社に副業が知られるかどうかは、年末調整ではなく住民税の話
この記事の要点:よくある質問
- Q: 年末調整を受けていれば、副業の確定申告はしなくていいですか?
- A: いいえ。年末調整はその会社の給与だけを精算します。給与が1か所の人は、副業など給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁No.1900)。
- Q: 副業先がアルバイトで、そちらでも給与をもらっています。年末調整はどうなりますか?
- A: 年末調整を受けられるのは扶養控除等申告書を出した主たる給与の会社だけです。副業先の給与は乙欄で源泉徴収され、年末調整されないため、本人が確定申告で精算します(国税庁No.2520)。
この記事は、会社員として働きながらアフィリエイトなどの副業をしている方に向けて、年末調整と確定申告の関係を国税庁の公表情報(令和8年4月1日現在法令等)から整理した情報提供・教育目的のコンテンツです。税務相談ではありません。あなたに申告が必要かどうか、所得区分、控除の額など個別の判断は、所轄の税務署または税理士に確認してください。
年末調整が精算するのは「その会社の給与」だけ
11月ごろになると、会社から年末調整の書類が回ってきます。保険料控除の欄を埋めて提出すると、12月か1月の給与で税金が少し戻ってくる。これで今年の税金は終わった、と考える人は少なくありません。副業をしていなければ、それでほぼ正解です。
年末調整は、会社が毎月の給与から天引きしてきた所得税と、1年分の給与で計算し直した税額との差を精算する手続きです。会社が把握しているのは、自社が支払った給与だけ。あなたがアフィリエイトでいくら稼いだか、経費がいくらかかったかを会社は知りませんし、年末調整の計算にも入りません。
1年間に支払うことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人は年末調整の対象になりません。その場合は副業の有無にかかわらず確定申告が必要です(No.1900)。
つまり副業の所得は、年末調整とは別のルートで扱われます。そのルートが確定申告で、「申告が要るかどうか」を決めるのが次の20万円の線です。
分かれ目は「給与以外の所得」が20万円を超えるか
国税庁のタックスアンサーNo.1900は、給与所得者で確定申告が必要な人を列挙しています。会社員の副業で関係が深いのは次の行です。
| あなたの状況 | 確定申告が必要になる条件(No.1900) |
|---|---|
| 給与は会社1か所だけ。副業はアフィリエイトなど給与以外 | 給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える |
| 給与を2か所以上から受けている(副業もアルバイト等) | 年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える(下の例外あり) |
| 給与の収入金額が2,000万円を超える | 副業の有無に関係なく必要 |
ここで間違えやすいのが「20万円」の中身です。比べるのは売上ではなく所得、つまり報酬から必要経費を引いた金額です。アフィリエイト報酬が年30万円でも、サーバー代やツール代などの経費を引いて20万円以下なら、この条件には当たりません。逆に「入金はまだ少ないから大丈夫」と思っていても、確定した報酬が積み上がって利益が20万円を超えていれば申告が必要です。
20万円以下で申告不要になるのは、所得税の確定申告をしなくてよいという意味にとどまります。医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)のために確定申告書を出す場合は、20万円以下の副業の所得も含めて申告します。また、住民税にはこの20万円のルールがありません。所得税の申告をしない場合でも、お住まいの市区町村への住民税の申告は別に考える必要があります。
ふるさと納税と副業の組み合わせは落とし穴が多いので、副業収入とふるさと納税の上限で別にまとめています。
副業もアルバイトなら:副業先は「乙欄」、年末調整はされない
副業がコンビニや飲食店のアルバイト、あるいは別の会社との雇用契約による給与の場合は、話が少し変わります。
国税庁No.2520によると、「給与所得者の扶養控除等申告書」は、主たる給与を受ける支払者1か所にだけ提出します。本業の会社に出したなら、副業先には出しません。申告書を出していない支払者は、税額表の乙欄で源泉徴収します(No.2511)。甲欄より高めの税額が天引きされるのはこのためです。
そして同じNo.2520は、従たる給与については年末調整ができないため、本人が確定申告で精算する必要があるとしています。副業先からも源泉徴収票は届きますが、それは「年末調整済み」の書類ではありません。
給与の収入金額の合計額から、所得控除(雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下で、かつ給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、確定申告は不要とされています。
乙欄で多めに引かれている場合、確定申告で精算すると税金が戻ることもあります。必要かどうかだけでなく、出したほうが得かどうかも一度計算しておく価値があります。
2025年分からの改正:年末調整で何が変わったか
令和7年度の税制改正で、所得税の基礎控除と給与所得控除が見直されました。国税庁の年末調整向けの案内によると、改正は原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分(2025年分)以後の所得税に適用されています。主な内容は次のとおりです。
- 基礎控除の見直し:合計所得金額に応じて段階的に引き上げ。たとえば合計所得金額132万円以下なら95万円(改正前は48万円)
- 給与所得控除:最低保障額が55万円から65万円に引き上げ
- 特定親族特別控除の創設:19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が一定の範囲内なら、最高63万円の控除
2025年分はこの改正を令和7年12月の年末調整で反映する形になりました。令和8年分(2026年分)以後については、新しい源泉徴収税額表が適用され、扶養親族等の所得要件も改正されると国税庁は案内しています。基礎控除の額も年分によって表が分かれているので(No.1199)、自分の年分の表で確認してください。
副業をしている人が押さえるべきなのは、基礎控除の段階は「合計所得金額」で決まるという点です。合計所得金額には給与だけでなく副業の所得も入ります。年末調整では給与をもとに計算されていても、副業の利益を足すと区分が変わる可能性があり、その差は確定申告で精算されます。改正で「控除が増えたから副業の申告も要らなくなった」わけではありません。20万円の線(No.1900)はそのままです。
「会社にバレるか」は年末調整ではなく住民税の話
年末調整の書類に副業のことを書く欄はない。だから会社には伝わらない——ここまでは間違っていません。会社が副業に気づくきっかけになりうるのは、翌年の住民税です。給与から天引きされる住民税の額は、副業も含めた所得をもとに市区町村が計算して会社に通知します。
副業分の住民税をどう納めるか(特別徴収・普通徴収)は、確定申告書の住民税の欄で選ぶ話になります。この記事では深追いしません。詳しくは副業の住民税の基礎を読んでください。
確定申告するときの材料:会社の源泉徴収票
年末調整が済むと、会社から源泉徴収票が渡されます。確定申告ではこの源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」などを申告書に写し、副業の所得を足して1年分の税額を計算し直します。会社がすでに天引きした税金は、ここで差し引かれます。
副業先からも給与を受けている人は、両方の源泉徴収票が必要です。1月になったら、本業・副業それぞれの源泉徴収票がそろっているかをまず確認してください。申告の流れは副業の確定申告ガイドにまとめています。
年末までにやっておく4つのこと
確定申告そのものは年明けですが、要るか要らないかの判断材料は年内にそろえられます。
12月の帳簿の整え方は副業の年末の帳簿整理で具体的に書いています。年末調整は会社の仕事、副業の申告は自分の仕事。この線を引いておけば、年明けに慌てることはありません。
よくある質問(FAQ)
【免責事項】OlympTradeは日本の金融庁(FSA)に登録されていない海外プラットフォームで、日本の投資家保護制度の対象外です。本記事はKingfin日本語版編集部による情報提供・教育目的のコンテンツであり、税務相談ではありません。記載しているのは国税庁が公表している情報の一般的な整理であって、個々の納税者の控除上限額や申告の要否を判断するものではありません。法令・通達は改正されることがあります。記事公開時点(2026年10月8日)の内容に基づいています。