この記事でわかること
  • 住民税の「特別徴収(給与天引き)」と「普通徴収(自分で納付)」の違いと、副業が会社に知られる仕組みがわかる
  • 普通徴収を選ぶ具体的な方法——確定申告書「第二表」の“自分で納付”欄のチェックまで手順で確認できる
  • 『給与所得の副業は普通徴収に切り替えられない』『20万円以下でも住民税申告は必要』という、見落とすと危ない落とし穴をおさえられる

この記事の要点:よくある質問

Q: 普通徴収にすれば副業は会社に絶対バレない?
A: 「絶対バレない」とは言えません。普通徴収を選べるのは原則として給与以外の所得(アフィリエイトやフリーランス報酬などの雑所得・事業所得)に限られます。アルバイト・パートなど『給与所得の副業』は多くの自治体で特別徴収が原則で、本業の給与と合算して天引きされるため気づかれる可能性があります。自治体によっては令和8年度(2026年度)から給与由来の住民税を特別徴収に一本化する動きもあります。まず自分の所得が「給与か、それ以外か」を確認し、迷ったら自治体や税理士に相談を。
Q: 普通徴収はどこで選ぶ?
A: 確定申告をするなら、確定申告書『第二表』の「住民税・事業税に関する事項」で、給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税の徴収方法を「自分で納付」にチェックします。これで給与以外の所得の住民税納付書が自宅に届きます。毎年記入が必要で、書き忘れると特別徴収に回ることがあります。20万円以下で所得税申告をしない場合でも住民税申告は別途必要で、その際は市区町村の窓口で普通徴収を希望する旨を伝えます。手続きは自治体により異なるため必ず確認を。
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はじめにお読みください(税務は必ずご自身で確認を)

この記事は、副業を始めた方に向けた住民税の一般的な仕組みの情報提供・教育目的のコンテンツであり、個別の税務・法務アドバイスではありません。税制や自治体の運用は改正・変更されることがあり、扱いは市区町村ごとに異なります。本文の内容は2026年7月時点の一般的な情報に基づく整理であり、正確性・最新性を保証するものではありません。「普通徴収にすれば絶対に会社に知られない」といった保証はできません。また、副業で得た所得は原則として申告が必要です。実際の判断や手続きは、必ずお住まいの市区町村(住民税担当課)・税務署、または税理士など専門家にご確認ください。

なぜ「住民税」で副業が会社に伝わるのか

副業を始めた人が最初に気になるのが「会社に知られないだろうか」という不安です。そして、その通り道になりやすいのが住民税です。所得税は本人が納めますが、住民税は多くの会社員の場合、会社が給与から天引きして本人の代わりに納める仕組み——これを特別徴収といいます。

ここに副業の所得が加わると、本業の給与に対して計算されるはずの住民税額が「思ったより多い」状態になります。会社の給与担当者に届く住民税の通知額と、本業の給与とのバランスがずれるため、「この人は給与以外に収入があるのでは」と気づかれる余地が生まれます。これが「住民税で副業がわかる」と言われる基本的な理由です。

特別徴収と普通徴収の違い(基本)
  • 特別徴収:会社が毎月の給与から住民税を天引きして納める方式。会社員の原則。副業分もここに合算されると額の変化で気づかれやすい
  • 普通徴収:自宅に届く納付書で自分で納める方式。給与以外の所得にかかる住民税を、会社を通さず納められる

「普通徴収」という選択肢と、その限界

そこで出てくるのが普通徴収です。副業で得た給与以外の所得(たとえばアフィリエイトやフリーランスの報酬など)にかかる住民税を、本業の給与天引き(特別徴収)とは分けて、自分で納付することができます。こうすれば、本業の給与にかかる住民税額に副業分が上乗せされず、会社経由の通知に副業の影響が出にくくなる——これが「普通徴収で知られにくくする」という考え方です。

ただし、ここには誤解されやすい大きな限界があります。正直に言うと、私たち編集部も当初は「普通徴収を選べば副業は隠せる」と単純に理解していました。しかし調べていくと、そう単純ではないと分かりました。

最大の注意点:給与所得の副業は普通徴収に切り替えられない

普通徴収を選べるのは、原則として給与以外の所得(雑所得・事業所得など)にかかる住民税です。アルバイトやパートのように「給与」として受け取る副業は、多くの自治体で特別徴収が原則とされ、本業の給与と合算されて会社経由で徴収されます。つまり、給与型の副業は普通徴収を選びにくく、住民税額の変化から会社に気づかれる可能性が高いのです。さらに自治体によっては、令和8年度(2026年度)から給与に由来する住民税をすべて特別徴収に一本化する動きもあります。

言い換えると、普通徴収が意味を持つのは、業務委託・フリーランス・アフィリエイトなど「給与ではない所得」で副業をしている場合です。自分の副業がどちらに当たるかを最初に見極めることが、何より重要になります。

確定申告書「第二表」の“自分で納付”欄——ここが分かれ道

では、給与以外の所得について普通徴収を選ぶには、具体的にどこで手続きするのか。答えは確定申告書の「第二表」にあります。ここが、副業の住民税をどう納めるかを分ける実際の分岐点です。

実際の書類のどこを見るか(一次情報)

確定申告書第二表の下部にある「住民税・事業税に関する事項」という欄を探します。その中に、給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税の徴収方法を選ぶ項目があり、選択肢は「特別徴収」「自分で納付」の2つ。ここで「自分で納付」にチェック(○)を付けると、給与以外の所得にかかる住民税の納付書が自宅に届き、自分で納める形になります。

この一手間を忘れると、給与以外の所得の住民税まで特別徴収(会社経由)に回ってしまうことがあります。チェックは毎年の申告ごとに必要で、「去年やったから今年は大丈夫」とはなりません。申告書を提出する前に、この欄だけは必ず自分の目で確認してください。

普通徴収を選ぶ手順(給与以外の所得の場合)

1
自分の副業所得の“種類”を確認する。まず、その副業が給与か、給与以外かを見分けます。源泉徴収票が出るアルバイト・パートは給与所得。業務委託・フリーランス・アフィリエイトなどは、原則として雑所得または事業所得です。給与以外であることを確認できて初めて、普通徴収が現実的な選択肢になります。
2
確定申告書「第二表」で「自分で納付」を選ぶ。「住民税・事業税に関する事項」の徴収方法欄で、「自分で納付」にチェックを付けます。ここが今日いちばん覚えて帰ってほしいポイントです。
3
申告不要でも“住民税申告”を忘れない。後述のとおり、副業所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別途必要です。その際は、お住まいの市区町村の窓口で普通徴収を希望する旨を伝えます
4
不安なら自治体に直接確認する。徴収方法の運用は自治体ごとに差があります。「給与以外の所得を普通徴収にできるか」「必要な書き方は何か」を、市区町村の住民税担当課に電話一本で確認しておくと確実です。

見落とすと危ない「20万円ルール」の落とし穴

副業でよく聞く「20万円以下なら申告しなくていい」という話。ここに大きな誤解が潜んでいます。

「確定申告が不要=何もしなくてよい」ではない

いわゆる20万円ルール所得税(確定申告)の話で、給与以外の副業所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要とされています。しかし住民税にはこの特例がなく、20万円以下でも住民税の申告は必要です。所得税の申告をしない場合は、お住まいの市区町村へ住民税申告を行います。ここを飛ばすと、意図せず申告漏れになりかねません。

アフィリエイトの所得区分についても触れておきます。一般に、帳簿を作成・保存しているなど事業としての実態があれば事業所得、そうでなければ雑所得(副業的な所得が概ね年300万円以下の場合は雑所得と扱われるのが原則)となる、という考え方が示されています。区分によって扱いが変わるため、判断に迷う場合は税理士や税務署に確認するのが安全です。詳しくはアフィリの確定申告・税金の基礎もあわせてご覧ください。

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「隠す」より「正しく申告する」が結局いちばん強い

ここまで読んで、「思ったより単純じゃない」と感じたかもしれません。その感覚は正しいです。普通徴収は合法的で正当な選択肢ですが、「これさえやれば絶対バレない」という魔法ではありません。給与型の副業では選びにくく、自治体の運用も変わりつつあります。

大切なのは、会社に知られないことを目的化するより、まず正しく申告することです。申告をきちんとしたうえで、給与以外の所得について普通徴収を選ぶ——この順序なら、後ろめたさなく副業を続けられます。就業規則で副業が制限されている場合は、税務とは別の問題として、勤務先のルールもあわせて確認しておきましょう。

副業の税金で心を軽くする3つの姿勢
  • まず申告:「バレるか」より「正しく申告したか」を先に整える。それが一番の安心材料
  • 種類を見極める:自分の副業が給与か、給与以外かを最初に確認する
  • 迷ったら聞く:自治体・税務署・税理士に確認する一手間が、後の大きな不安を消す

副業の住民税 実践チェックリスト

この記事のポイントを、行動できる形でまとめます。すべてを一度に完璧にする必要はありません。「自分は今どこにいるか」を確認する目印として使ってください。

1 種類:自分の副業所得が「給与」か「給与以外(雑所得・事業所得)」かを確認した
2 限界の理解:給与型の副業は普通徴収を選びにくいことを理解した
3 分岐点:確定申告書「第二表」の“自分で納付”欄の場所を把握した
4 20万円の罠:所得税が不要でも住民税申告は必要になり得ると知った
5 自治体確認:運用は市区町村で異なるため、必要なら窓口に確認する段取りをした
6 就業規則:税務とは別に、勤務先の副業ルールもあわせて確認した

住民税は、正しく理解すれば怖いものではありません。この記事はあくまで一般的な仕組みの整理であり、個別の税務判断や「絶対に会社へ知られない」ことを保証するものではありません。最後は必ず、お住まいの自治体・税務署・税理士に確認して、自分のケースに合った選択をしてください。

よくある質問(FAQ)

副業を普通徴収にすれば、会社に絶対バレませんか?
「絶対にバレない」とは言えません。普通徴収を選べるのは、原則として給与以外の所得(アフィリエイトやフリーランス報酬などの雑所得・事業所得)にかかる住民税に限られます。アルバイトやパートのような『給与所得の副業』は、多くの自治体で特別徴収が原則とされ、本業の給与と合算して会社の給与から天引きされるため、住民税額の変化から気づかれる可能性があります。さらに、自治体によっては令和8年度(2026年度)から給与に由来する住民税をすべて特別徴収に一本化する動きもあります。まずは自分の副業所得が『給与か、それ以外か』を確認し、判断に迷う場合は、お住まいの自治体(市区町村の住民税担当課)や税理士に相談してください。
普通徴収はどうやって選べばいいですか?
確定申告をする場合は、確定申告書『第二表』の「住民税・事業税に関する事項」にある、給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税の徴収方法の選択欄で「自分で納付」にチェック(○)を付けます。これにより、給与以外の所得にかかる住民税の納付書が自宅に届き、自分で納める形になります。この欄の記入は毎年必要で、書き忘れると特別徴収(会社経由)に回ってしまうことがあります。なお、副業所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別途必要になるため、その際は市区町村の窓口で普通徴収を希望する旨を伝えます。手続きの詳細は自治体によって異なるので、必ずお住まいの市区町村に確認してください。
副業の所得が20万円以下なら、何も申告しなくていいのですか?
いいえ、注意が必要です。よく知られた『20万円ルール』は所得税(確定申告)についてのもので、給与以外の副業所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要とされています。しかし住民税にはこの特例がなく、20万円以下であっても住民税の申告は必要です。所得税の申告をしなかった場合は、お住まいの市区町村に住民税申告を行う必要があります。『確定申告が不要=何もしなくてよい』ではない点が、副業で最も見落とされやすい落とし穴の一つです。
アフィリエイトの収入は、住民税の計算でどう扱われますか?
アフィリエイトの収入は「給与」ではないため、原則として雑所得または事業所得として扱われます。帳簿を作成・保存しているなど事業としての実態があれば事業所得、そうでなければ雑所得(副業的な所得が概ね年300万円以下の場合は雑所得とされるのが原則)と整理されるのが一般的な考え方です。いずれも給与以外の所得なので、住民税について「自分で納付(普通徴収)」を選べる余地があります。区分によって経費や申告の扱いが変わるため、判断に迷う場合は税理士や税務署に確認してください。なお、Kingfinのアフィリエイトで得た報酬も同様に、原則として申告が必要な所得です。

【免責事項】本記事はKingfin日本語版編集部による情報提供・教育目的のコンテンツであり、個別の税務・法務に関するアドバイスではありません。記載内容は2026年7月時点の一般的な情報に基づく整理であり、その正確性・最新性・完全性を保証するものではありません。税制および住民税の徴収方法の運用は、法改正や各市区町村の取扱いによって異なり、変更される場合があります(給与に由来する住民税を特別徴収に一本化する自治体の動きを含む)。「普通徴収を選べば会社に知られない」といった結果を保証するものではありません。副業で得た所得は原則として申告が必要です。実際の申告・納付・徴収方法の選択にあたっては、必ずお住まいの市区町村(住民税担当課)・税務署、または税理士等の専門家にご確認ください。また、Kingfinのアフィリエイトで紹介するのはFX・投資関連サービスであり、投資には損失が生じるリスクがあります。成果には個人差があり、収益の金額は一切保証されません。

Hiro Hiraki
執筆者
Hiro Hiraki
Kingfin JP 編集長。金融・FinTech分野の翻訳に15年以上携わるFXアフィリエイトの専門家。日英バイリンガル。