税金・確定申告 2026

自宅で副業、家賃や電気代は何%経費にできる? 問われるのは「割合」より「なぜその割合か」

所得税法施行令96条と所得税基本通達45-1・45-2から、家事按分の考え方と残すべき記録を整理する。
96条
家事関連費の例外(所得税法施行令)
50%
上限ではなく判定の線(通達45-2)
4つ
「なぜその割合か」を残す記録
9枚
2

「家賃は何%まで?」と聞く前に

2 / 9
「家賃は○割」「電気代は○%」——その目安、国税庁は示していない。
本記事で確認した法令・通達・国税庁のページには、そうした目安の数字はどこにもない。数字を探しても答えが無いのは、条文が数字ではなく区分の根拠を求めているから。
💡 問われるのは「何%か」ではなく、「なぜその%なのか」を記録で説明できるか
3

条文が求めているのは「明らかに区分できること」

3 / 9
家事関連費=「一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用」(No.2210)。原則は必要経費にならず、例外を定めるのが施行令96条。
①
第1号:主たる部分が業務の遂行上必要で、「その必要である部分を明らかに区分することができる場合」
②
第2号:青色申告の承認を受けた居住者について、「取引の記録等に基づいて」業務の遂行上直接必要であったことが「明らかにされる部分」
💡 どちらの号にも「何%まで」という数字は出てこない。条件は、業務に必要な部分が区分できるかどうか
4

50%基準の本当の意味——上限ではない

4 / 9
通達45-2の但し書き:「ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。」
よくある受け取り方通達45-2の文言から言えること
50%を超えないと経費にできない50%以下でも、明らかに区分できればその部分は算入して差し支えない
50%までなら経費にしてよい50%は判定の線であって、按分してよい割合の目安ではない
✅ 「主たる部分」は、資産の利用状況等を総合勘案して判定する(通達45-1)=材料は使い方の実態
5

所得区分・青色か白色かで何が変わるか

5 / 9
第1号第2号
対象となる人限定なし(青色・白色を問わない)青色申告の承認を受けている居住者
対象となる所得不動産・事業・山林・雑所得不動産・事業・山林(雑所得は挙げられていない)
条文の言い方「明らかに区分することができる」「取引の記録等に基づいて」「明らかにされる」
💡 会社員の副業で雑所得なら第1号の枠。事業所得か雑所得かは業務の実態で判断されるもので、この資料で判定できるものではない
6

「なぜその割合か」を残す——4つの記録

6 / 9
支出根拠になりうるもの残しておく記録
家賃作業に使う場所の面積作業場所を書き込んだ間取り図+面積の計算式
家賃(専用でない場所)作業に使う時間の比率作業した日と時間帯の記録
電気代作業に使う機器・部屋と使用時間機器の一覧・作業時間・掛け合わせた式
通信費回線の業務利用の実態端末・用途の一覧、家族との共用の有無
💡 いずれも国税庁が方法を指定しているものではなく、区分の根拠を説明するための記録の例
7

計算の形(仮の数字)

7 / 9
作業スペース 7.5㎡ ÷ 住まい全体 50㎡ = 15%
家賃のうち15%を業務分とする根拠として、間取り図と上の式を保存する。大事なのは、出てきた割合より式と元の資料が残っていること。
🔁
引っ越した、作業時間が増えた、家族と回線を共用し始めた——使い方が変われば根拠も変わる。年に一度、年末の記帳のついでに見直す
⚠️ 数字は計算の形を示すための仮のもの。面積按分は国税庁の指定する方法ではない
8

今日やること

8 / 9
①
家賃・電気代・通信費のうち、副業にも使っている支出を書き出す
②
それぞれ、割合の根拠を「面積」「時間」「端末・用途」のどれで説明するか決める
③
間取り図に作業場所を書き込み、面積の計算式と一緒に保存する
④
今日から1〜2週間、作業した日と時間帯を記録する(カレンダーで十分)
⑤
所得区分や按分の考え方に迷う点は、メモにして所轄の税務署または税理士に確認する

求められているのは、区分を説明できること

1
条文にも通達にも「何%まで」という数字は無い。条件は「明らかに区分できる」こと
2
50%は上限ではなく判定の線。50%以下でも、明らかに区分できればその部分は算入して差し支えない
3
数字は後から変わっても構わない。変わった理由まで記録に残っていれば、それが根拠になる
※
本スライドは一般的な情報提供であり税務相談ではありません。所得区分や按分の個別の判断は、所轄の税務署または税理士へ。投資・トレードには元本を失うリスクが伴います
記事を読む →Kingfinで無料登録する →