税金・確定申告 2026

「100万円を超えると税務署に伝わる」は半分だけ本当。伝わる仕組みと、申告が要る基準は別の話

国外送金等調書法・同施行令・国税庁のタックスアンサーから、2つの基準を分けて整理する。
100万円
金融機関が調書を出す基準(施行令8条1項)
20万円
給与所得者の申告基準(No.1900/No.1906)
翌月末日
調書の提出期限(法4条1項)
9枚
2

噂の出どころを、先に押さえる

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「海外から100万円を超えて受け取ると、税務署に伝わるらしい」——半分だけ本当。
100万円という数字は実在し、法令に根拠もある。ただしそれは、あなたが何かを提出する基準ではなく、申告が必要かどうかを決める基準でもない。
💡 「伝わるかどうか」と「申告が要るかどうか」は、別々の法令が別々の基準で決めている
3

正体は「国外送金等調書」。出すのは金融機関

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誰が:「金融機関は……調書……を……提出しなければならない」(法4条1項)。本人ではない
いつまでに:為替取引を行った日として財務省令で定める日の属する月の翌月末日まで
どこへ:当該為替取引に係る金融機関の営業所等の所在地の所轄税務署長
いくらから:「その金額が政令で定める金額以下のものを除く」=施行令8条1項で百万円
💡 国税庁の手続案内「F4-1 国外送金等調書」に金額の記載は無い。100万円の根拠は施行令8条1項
4

対象は「送金」だけではない

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「国外送金等」=国外送金 + 国外からの送金等の受領
法2条5号は「国外からの送金等の受領」を、金融機関が行う為替取引によってされる国外から国内へ向けた支払の受領等と定義している。海外の事業者から報酬を受け取る行為は、これに当たり得る。
✅ 法4条1項2号は、受領の場合の記載事項として氏名・住所・受領した金額等を挙げている
5

自分が出すものは別にある——「告知書」

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調書(法4条)告知書(法3条)
出す人金融機関本人
出す先所轄税務署長金融機関の営業所等の長
金額の免除100万円以下は対象外金額の定めは無い
記載事項氏名・住所・金額 等氏名・住所・個人番号・送金原因 等
⚠️ 告知書の免除は金額ではなく「特定送金・特定受領」に当たるかで決まる(法3条2項=本人口座での受領など)
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口座の情報については、別の枠組み(CRS)

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国税庁「CRSコーナー」:「各国の税務当局は、自国に所在する金融機関等から非居住者が保有する金融口座情報の報告を受け、租税条約等の情報交換規定に基づき、その非居住者の居住地国の税務当局に対しその情報を提供します。」
📄
書かれているのは、この一般的な枠組み。日本居住者が海外に持つ口座は、その国から見れば非居住者の口座に当たる
⚠️ 「あなたの口座情報が必ず国税庁に届く」と断定できる記述を確認したわけではない。対象範囲・参加国・時期など、適用は個別の事情による
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肝心なこと:100万円は申告義務の基準ではない

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100万円20万円
何の基準か金融機関が調書を出すか給与所得者に申告が必要か
根拠法4条1項・施行令8条1項国税庁 No.1900/No.1906
測る対象国外送金等の金額給与以外の所得の金額
動く人金融機関あなた
⚠️ 「100万円以下だから申告しなくていい」は成り立たない。100万円の送金が1件も無くても、所得が20万円を超えれば申告の話になる
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外貨で受け取ったとき、いくらで記録するか

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原則:取引日のTTM(仲値)=対顧客直物電信売相場と買相場の仲値(所得税基本通達57の3-2)
ただし書き:不動産・事業・山林・雑所得を生ずべき業務に係るものは、収入をTTB、経費をTTSで換算することができる
その条件:継続適用。年ごとに有利なほうへ変える使い方を想定した書き方ではない
⚠️ この通達は令和7年の改正を経ている。どのレートをいつの時点で使うかは実務判断を含む=所轄の税務署または税理士へ

今日やることは、記録を残すところまで

1
今年受け取った報酬を、入金日・外貨額・入金口座の3点で一覧にする
2
円に直し、経費を引いた後の金額が20万円を超えそうかを見る
3
入金の明細を、あとから出せる場所に保存しておく
4
分からない点をメモにまとめ、所轄の税務署または税理士に確認する
本スライドは一般的な仕組みの整理であり税務相談ではありません。申告義務の有無・所得区分・換算方法などの個別の判断は、所轄の税務署または税理士へ。投資・トレードには元本を失うリスクが伴います
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